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パレスチナの地のそもそも論はあれども… 今まさに行われている蛮行を非難する

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10月7日、イスラム組織・ハマスがイスラエルに大規模奇襲攻撃を行いました。
ハマスはアラブ系パレスチナ人の武装組織で、
周辺のアラブ諸国がイスラエルと対立していたため、
支援を受ける関係でしたが、
近年、アラブ諸国はイスラエルと融和する流れとなっていて、
その流れの中で、ハマスのテロが行われたことになります。

ハマスはソフトターゲットとして音楽イベントも狙いました。
多数の民間人が死亡、大勢が連れ去られました。
イスラエルは反撃を開始、双方の死者は合計で2500人を超えるとされます。


『戦火のなかの子どもたち』
  母さんといっしょに もえていった ちいさなぼうや

 

 

 

 

2000年前、地中海の東に住んでいたのはユダヤ人でした。
彼らはイスラエルの民であり、アラブ人たちはヘブライ人と呼んでいました。
ローマ帝国がこの地に侵入し、ユダヤ人はヨーロッパ、
北アフリカ、中東各地に離散することとなります。

世界でキリスト教が広く信じられるようになると、
教祖・イエスを殺したユダヤ人は迫害を受けるようになります。
また、差別により就ける職業が限られていたため、
貸金業など、賤業と見なされた彼らはより一層誹られる立場となっていきます。

元々、パレスチナという言葉は現在のイスラエル国の場所を意味しました。
ユダヤ人がいなくなり、そこに定住したアラブ人でしたが、
イギリスなどがオスマン帝国を倒そうと、
アラブ人たちに、アラブの独立を約束して味方するよう求めます。
ほぼ同時に、ユダヤ人にも国家建設を支持すると約束、
ロスチャイルドなどの資金援助を取り付けるのでした。

また、イギリスは英仏露によるオスマン帝国の領地分割統治を計画。
ユダヤ人との約束が果たされることはありませんでした。
第二次世界大戦では、ユダヤ人がナチスの迫害に遭い、
そのことが確固たるユダヤ国家が必要だという思いを強くさせます。

世界はそれを認め、パレスチナの地に国家樹立を認めるのですが、
そこに住むアラブ人たちは納得しません。
ユダヤ人はイスラエル国を建設しますが、
アラブ諸国がイスラエルを攻撃することで中東戦争が起き、
イスラエルはそれを跳ね返し、

さらに国際法上認められていない支配地拡大を続けます。

今、パレスチナと呼ばれているのは、
アラブ系パレスチナ人たちが住むヨルダン川西岸とガザ地区なのでしょう。
特にガザ地区では、不況が限界状態にあり、
イスラエルからは迫害され、徴発にさられてきました。
ここにアラブ諸国の対イスラエル融和という流れが加わり、
テロが行われたことになります。

元々、ユダヤ系の影響力が強いアメリカはイスラエルを支持。
死者にはアメリカ国民も含まれています。
一方、アラブ諸国にはイスラエルを批判している国が多いようです。
この点で、このテロは成果を収めたと見る向きもあります。

どのような歴史的背景があるにせよ、
無抵抗の人たちを奇襲して虐殺する、
連れ去る、レイプするなどが正当化されるべきではありません。
目の前で起きていることに対し、最大限、強い言葉で非難すべきでしょう。

イスラエルの反撃では、無誘導爆弾が使われるなど、
ほぼ無差別にガザを攻撃していると考えてよいかと思います。
民間人を殺しても構わない。それがイスラエルの判断です。
ウクライナ危機では、白リン弾だのクラスター爆弾だのが
人道的にああだこうだと言われますが、
それらが可愛く見えるぐらいに酷い攻撃です。
白リン弾は、今まさにイスラエル軍も使用していますし。
イスラエルは歴史的に「世界から非難されても国を守る」という意識が強いのでしょう。

ハマスがなぜ数千発ものロケット弾を準備しているのに、
イスラエルのインテリジェンスが察知できなかったのか、
いろいろと疑問があります。

この状況を喜んでいるのはロシアで、
これでアメリカがイスラエル支援に動きますと、
ウクライナへの対応が薄くなります。

ゼレンスキー大統領は、ハマスのテロを最大限の言葉で非難。
ロシアはハマスとウクライナ政府は同じだと喧伝しているようですが、
ゼレンスキーはユダヤ系です。

確率は低いですが、もしもこの状況で中国が台湾に侵攻したとすれば、
さらに事態は混沌としてきます。

1914年6月28日、サラエボでオーストリア皇太子夫妻がセルビア人に暗殺され、
第一次世界大戦が始まりました。
しかし、1914年6月の時点で、
世界は世界大戦だという認識はなかったはず。
もしも、今後、この混沌が世界に拡大するとすれば、
教科書には、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻、
2023年10月7日のハマスによるテロが
第三次世界大戦の始まりと記載されることになるかもしれません。

BS-TBS「報道1930」は、自称ジャーナリストの重信メイに解説させたのですが、
彼女は元日本赤軍のリーダー・重信房子の娘です。
もしも、彼女が母による民間人の大量虐殺を批判しているなら別ですが、
彼女は母の行為を含めて、尊敬しているとしています。
つまり、TBSはテロリズムを是とする人物に、
このガザ紛争を解説させたことになるのです。
彼女が何を語ろうと、ハマスの蛮行は大規模テロです。
仮に動機に正義があったとしても、目的のために手段は正当化されず、
テロが行われた時点で悪です。

文化人、知識人たちがいろいろと言っていますが、
残念ながら、この紛争を止める具体的手段を提示できる人はいないでしょう。
私も何も思いつきません。
連れ去られた人質をイスラエルがどう考えるかにもよりますが、
ガザを焦土にしてでも攻撃をやめない可能性があります。


なお、岸田総理を含め、ハマスとパレスチナを一体視しているようですが、
ハマスの最高責任者イスマイル・ハニヤはカタールを拠点としています。
ハマスとパレスチナ自治政府は別物ですので、
パレスチナ自治政府に自制を求めても無意味か、先方には迷惑かと思います。
融和策により立場が危うくなるハマスのアイデンティティをアピールするためのテロ、
私はそのように考えています。

 

ハマスは当然、この攻撃により、

イスラエルからの激烈な反撃が来ることは予測できたでしょう。

反撃によりパレスチナの非戦闘員が犠牲になることも。

それを一顧だにせず、テロを行ったということなのです。

 

 


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