イタリアにおける新型コロナ感染症の状況が悪くなっています。
死者数、ICU患者数、入院患者数のいずれもが過去10か月で最悪。
7月、8月との比較では10倍のレベル、
陽性率は21%とのことです。
イタリアでは変異株JN.1が拡大しているらしく、
その影響が考えられます。
オランダの下水サーベイランスでも、
新型コロナウイルス量が過去最高を記録、
変異株で最も多いのはJN.1です。
下水サーベイランスというのは、
下水中のウイルスを調査、監視のことで、
日本では札幌市あたりがいち早く対応していた記憶があります。
下水には人が排泄したウイルスが含まれていて、
それにより、モニタリングすることが可能になります。
JN.1に関するデータがあまりないので、よくわからないのですが、
イタリアやオランダの状況を見る限り、
かなり拡大しやすい傾向があると見るべきでしょう。
そして、人体への影響が軽くなっている可能性はほぼなく、
むしろ、心配すべき影響が強く出る可能性があるかと思います
繰り返しますが、
「ウイルスなどは変異するたびに弱毒化する」
はデマです。
「変異したウイルスがたまたま弱毒化していた」
はありえますが、現時点で「デルタ」と「デルタ以降」というふうに、
相対的な比較で弱毒化したケースがある程度です。
「ウイルスなどは変異するたびに弱毒化する」
が成り立つのは、そのウイルスなどにより、
宿主のほとんどが死滅した場合のみに通用する理論なのですから。
なお、東京都のサイトで確認してみましたが、
JN.1が検出されたというデータはありませんでした。
ヘレン・ハイド「達磨をからかう」
JN.1に限らず、新型コロナ感染症は、
アメリカで無視されているように思われがちですが、
CDC(米国疾病予防センター)は
再びマスク装着とワクチン接種を広く呼びかけているんですよね。
特に子どもの超過死亡が3割増で、
小児の死亡原因のうち、5位が新型コロナ感染症で、
感染症のカテゴリーではトップです
5~17歳の超過死亡率は2023年8月に過去4年間で最大、
6月~8月にピークがあることから、
夏でも流行しやすいということがわかります。
弱毒化説を盲信し、さらに
「今、さまざまな感染症が拡大しているのは
免疫負債の影響だ」
と信じている人も多いかと思います。
免疫負債とは、このパンデミックで、
強い感染対策を実施したため、
普段なら感染し、免疫を獲得していたはずの細菌やウイルスに対し、
無抵抗の状態になっているという考え方です。
実際、そういうことはあるかと思います。
ただ、わざわざ感染症にかかりやすくすることが正しいはずはなく、
その結果、子どもたちが亡くなる、
将来の負担となる免疫不全を招く事態となっています。
https://calgaryherald.com/opinion/columnists/opinion-this-is-a-pandemic-of-attrition
カナダの救命医の寄稿文ですが、
私たちの社会が間違いを犯したことを認め、方向転換する時期が来ています。新型コロナウイルスは穏やかであるという実験は、願いと期待にもかかわらず、悲劇的な失敗に終わった。
という書き出しで始まっています。
ケベック州の最近の調査では、「州の医療従事者の6~10パーセントが長期にわたる新型コロナ感染症を経験している」ことが判明しました。
英国医師会の調査では、長期にわたる新型コロナ感染症の医師の18パーセントは、もはや仕事ができないほど重度の症状を抱えていたとのこと。
ワクチン接種は長期にわたる新型コロナウイルス感染症のリスクを軽減するようだが、最新情報を把握している人はさらに少ない。その間、人々は(再)感染し続け、リスクはさらに増大します。そこで、無策の政策が特に壊滅的な事態を招きます。
医療機関の人手不足は医療崩壊につながりますが、
ほかの業種でも社会が動かなくなってしまいます。
実際、米英などではそのような状況が見られ、
だから、CDCはマスクの着用とワクチン接種を呼びかけているのです。
私たちは経済のために立ち直れと言われましたが、人的資本の際限のない削減にどうやって経済が耐えられるのでしょうか? これほど多くの病気や長期にわたる健康被害を毎年許容することで、私たちは一体どんな代償を払うことになるのでしょうか?成人人口の2%が仕事ができない? 5%? 10%? 今すぐブレーキを踏むべきではないでしょうか?
感染を避けることには価値があること、そして急性および長期にわたる病気のリスクを減らすためにできる簡単なことがあることを人々に伝えてください。
健康よりも経済を優先すると、両方とも沈んでしまいます。私たちは過去4年間で多くのことを学びました。私たちはそれをさらに改善するためのツールを持っています。
経済のためにも、感染症への対策が必要なのです。
おそらく、日本の政治家たちは、
危機が迫っていても、実害が大きくならない限り動かないでしょう。
各自が備えておかねばなりません。
こちらはここひと月の推定患者数の推移。
旧Twitterを見てると、
医療現場で休職者が増えているように見えるんですよね。
もちろん、インフルエンザなどもあるのでしょうが、
検査キットも足りない状況です。