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森光子さんの仕事に対する姿勢・努力を「さんまのまんま」に見る ~偉くならない大先生~

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「先生」と呼ばれた役者さんは今までもいらっしゃいましたけれど、
森光子さんもその一人でしたよね。

突然の訃報に驚かされ、
ご冥福をお祈りするとともに、
思い出したのが森さんが
「さんまのまんま」にお出になった時のことです。

調べてみますと、2009年10月16日のSPにご出演でした。
この時は89歳のお歳です。
しかし、それよりも少し前に
明石家さんまさんが「MBSヤングタウン土曜日」で
この時の森さんのことを話されていて、
まずはその部分を書き出してみたいと思います。


2009年9月26日放送分より

このあいだ、さんまのまんまスペシャルで、
森光子さんが出てくれはったんですよぉ。
ほいで、今年の初め頃に、ねえ、ショージ、
「森さん大丈夫かなぁ」って。
もう89歳やから。大丈夫かなぁっと思て。
やっぱり、1月ぐらいにお体を悪くしてらっしゃって、
このあいだ出て下さったんですけれど、
えらい、しっかり。
びっくりするよねえ。


村上ショージさん「やっぱりああいう方たちって、
舞台とかテレビ出ると、また違うんですかね?」

やっぱり、気合い入ったりすんねんけど、
「入口と出口だけ手を支えてあけてくれますか」
(とだけスタッフから頼まれたものの)
でも、しっかりと歩いて…、
でも、89やから。
ちょっと小っちゃくなってはるんですね。
やっぱりまあ、それでも89で、
俺らとこう、会話できる。


(中略)

ほいで、可愛らしいのが、
自分が白けさしたらあかんからって、
紙にメモを、書いてあるんですよ。

"登場して大阪時代の話をする(アーン)"

「これ書いてきたんですよ。読んでもいいですか?」
って仰るから、
「貸しなはれ」って読んでみたら、

"大阪時代の話をする(アーン)"、

「この(アーン)は何でんのん?」
って訊いたら、
もしもウケなかった場合、
さんまさんが机を叩いて「アーン」って言う、
「アーン」なんですって。
ほいで、"いまりちゃんのことを訊く"って、
これいまる(現・IMALUさん)やねんけど、
"いまりちゃんのことを訊く"とか、
全部自分で…、可愛らしい…。


ショージさん「そうやってちゃんと持っていってはるんですね。
       訊くことも」

白けさしたらあかん、
さんまちゃんの番組を白けさしたらあかんっていうので、
もう必死やったらしい。
もう89でそんな努力してる訳ですから。
驚く。89でテレビ出られるって凄いよね。
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実際のこの時の「さんまのまんまスペシャル」の録画を確認してみますと、
最初のゲストが森さんでした。
さんまさんが「先生」とお呼びすると、
森さんは「先生はやめて下さい」と恐縮されていました。
「来年90なんです」と仰り、さんまさんは
そういう方がテレビに出ておられることに感動されていて、
「電池入ってんとちゃいまっか?」
と軽くボケてみますと、森さんは
「入ってます。マイクの」
と、背中にあるワイヤレスマイクのほうへ
手を持って行かれていました。
89歳の時に、こういう機知に富んだ返答は、
本当に信じられないことですよね。

私、ほんとにねえ、
今日、伺う時に何をお話ししてよいのやら、
どうしようかと思って、
おたくの事務所のほうにお願いして、
さんまさんの略歴とか、いろんなご家族の事とか、
なんかエピソードがあったら、
教えて下さいますかって言ったら、
皆さん、いい方ばかりで、教えて下さったんです。


メモ書きの中身については、

歯医者さんで、あの、歯をお治しになった時に、
歯医者さんが「ちょっと引っ込めましょか?」って言ったのに、
「結構です」と仰ったんでしょ?


と、オフィス事務所の方からお聞きになった、
以前からさんまさんがネタにしているお話をされていました。
また、さんまさんが例の引き笑いをしていると、
森さんがその真似をされます。

一瞬、森さんから手渡されたその紙が写ったので、
止めて見てみますと、

早く逢いたい
でも、話題が…?
一つの話 終わった後 シーン(アーン)


のようなことが最初に書いてあり、
あとは

(パフォーマンス)

とか、

(大阪時代)

という文字も読めます。
少しでも台本のような形にしようとされていたんでしょうか?

この( )が何なのかをさんまさんが尋ねますと、
それはさんまさんの部分を想定したものらしく、

(パフォーマンス)

は、話が止まってしまった時に、
さんまさんがパフォーマンスで
救って下さるだろうという意味らしいです。

(アーン)

の場合は(アーン)と言いつつ、
テーブルを叩くだろうと、
きっと、事前にさんまさんの番組で確認されていたのでしょうね。

さんまさんのお嬢さんのいまるさんを
「いまりちゃん」と間違えていることを正した時に、
さんまさんがまた引き笑いになるんですけれど、
また、ここで森さんがその真似をされるんですね。
そして、客席に向かって、

だんだん上手になったでしょ?

と微笑まれていました。

森光子さんなら、年齢的にも、
芸能界のポジションとしても、
番組に来られるだけで凄いことで、
それはさんまさんも仰っているんですが、
それだけで充分なのに、
ご自身で番組のための下調べをされてから、
収録に望まれていたんですね。
放送時に番組を見て驚かされたと思うんですが、
また見直して再び驚かされてしまいました。

先生と呼ばれる大女優、
そして数々の栄典、
国民栄誉賞については、
役者さんとしては初の初の生前授与です。
しかし、偉くならない、
全く偉ぶらないんですよね。

そういう方がこれだけのことをされて、
番組に望まれていたということに、
あらためて感動してしまいました。




ねてしてタペ


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