ご存じのように、北朝鮮の金正日総書記が死去しました。
心筋梗塞とのことで、
それが事実だとすると、脳梗塞の既往が関わっているとも。
しかし、発表が正しいのかは疑問があります。
今後、どうなるのでしょうか？
まず気になるのは日本国民である拉致被害者の身の安全ですね。
いいほうに転ぶ可能性もありますが、
時代が動く時には、危険も生まれることも多いですし。
核兵器のほうも心配です。
ソビエトが崩壊した時に、
純度の低いプルトニウムなどと、
核技術が周辺国へ流出しました。
当時よりも、テロリストが跋扈している現在の場合は、
正体のわからない組織に、
それらが渡らないかどうかが心配されます。
政治的にはどうなるのでしょうか？
朝鮮労働党による支配が崩れるとしても、
私たちはかの国の民主化を望んでいますけれど、
実際に"急激"に崩壊されて困るのは、
韓国であり、中国であり、我が国でもあります。
後継者たる正恩がどの程度、軍を掌握しているか、
軍がどの程度、正恩をトップだと心底考えているのでしょうか？
9月に石川県輪島沖で保護された脱北者は、
自分を軍人(で漁師)だと言っていたそうですが、
軍人ですら、まともに食べさせられていない現状では、
その統率力は怪しいものです。
そもそも、正恩の力の根拠は
父・金正日から照らされていた七光りですけれど、
その正日の死を、かの国の国民全てが
悲しんでいるのかについては、疑問がある訳です。
特に北部東部では、食うに困り、ずっと停電のまま、
金日成の死では涙を流していたとしても、
現在、生活に困っている人たちは
今回のその息子の死にも涙を流すのでしょうか？
だいたい、酷い国情をさらに悪化させたデノミなどの経済改革は、
正恩の名の元で行われたものでした。
金正恩の元で、北朝鮮は治まるのでしょうか？
治まらないとすれば、朝鮮労働党の他の誰かがそれに代わるのか、
あるいは、朝鮮労働党政権が崩壊するのか、
私には想像できません。
鍵を握るのは中国だという意見があります。
おそらく、それは正しいように思います。
これまで、以前の米の表現によるところの「ならず者国家」に対し、
最も強い影響力をアピールしていたのが中国でした。
ならず者を飼っておき、適当に暴れているところへ現れて、
そのならず者をなだめてみせる、
そうすることで、自国の存在感をアピールしてみせていた中国、
中国は金正恩をどう考えているのでしょうか？
まずは彼の後継を認めているようではありますが、
本音はどうでしょう？
中国もクーデターなどで、
難民が大量に発生、越境されても困るでしょう。
生前、金正日は中国の援助、力添えをアテにしていたわけですが、
その一方で、中国に対する警戒心も持っていました。
中国側もそれは理解していて、
特に近年は、北朝鮮に対する表立った深入りは
控えめだったように思います。
社会主義の理念に反して、
三代目の世襲が行われようとしている北朝鮮。
韓国とは北緯38度線を軍事境界線として、
停戦(休戦)中です。
朝鮮戦争はまだ終わっていなくて、
金正日の死が、この戦争に悪影響を与えなければ良いのですけれど。
1年前の延坪島砲撃事件もありますし、
再び軍政面で金正恩に箔を付けようと、
同様の事を繰り返さないとは限りません。
その抑止力となるのは、中国…
結局、ならず者の親玉の出番となってしまうのでしょうか。
↧
金正日死去 今後考えられる展開は… 様々考えてみる。
↧