ダルビッシュは何種類の球種を投げるのだろうか、
という話はよく出ていて、
しかも、とんでもない変化量だったりするものですから、
打者がそれを見極めたり捉えたりするのはたいへんだったりします。
しかし、変化球を投げるにおいて、
変化量が大きくても、
投げる時に球種が打者にわかってしまうようではいけません。
そこで、投手は球種ごとの癖をなくす努力をしていく訳ですが、
特に重要なのが
リリースポイント
なのでしょう。
手からボールが離れる位置がどの球種でも同じにするのが理想です。
このあいだ、こんな動画がありました。
ダルビッシュの5つの球種の投球を、
一つに重ねて合成したものです(対プホルス)。
リリースポイントがほとんど変わらないんですね。
日本式でいうところのストレート、
シュート、カットボール(あるいはスライダー)、縦のスライダー、
カーブ(あるいはスライダー)でしょうか。
キャッチャーミットの動きを見てもわかるように、
同じようなフォームで違う球速、
違う軌道のボールが飛んでくるわけですから、
彼が名投手である理由の一つがよく分かる動画です。
既にただ者ではない活躍を見せ始めている阪神・藤浪晋太郎。
インタビューなどでも、
さすがにずっと注目され続け、
大阪桐蔭では春夏連覇のエースとして活躍しただけあって、
実に堂々としています。
防御率は1.67と、
セリーグ防御率ランキング3位相当の成績です。
高卒からのプロ入りの場合、
まあ、3年で活躍すれば充分で、
それで大投手となる選手もいるんですけれど、
彼はいきなりのローテーション入りで、
しかも、貴重な戦力となっているというのが素晴らしいです。
私が彼の投球の中で、
何が一番素晴らしいと感じているのが
試合を壊さない
という点です。
全ての先発登板で彼は悪ければ悪いなりに、
先発投手としての役割を果たしてきているんですよね。
日本ではあまり使われない言葉ですが、
Quality Start
という基準があります。
「クオリティ・スタート」「QS」は
先発投手の安定度を示す数値です。
基準は
先発した試合で6イニング以上、
自責点3以下
で、これを満たすとQSが記録されます。
先発投手が先発としての役割を果たした指標ともいえます。
このQSを全先発試合数との割合「QS率」で見ますと、
藤浪の場合、
100%
なんですね。
4試合に先発し、3勝1敗ですが、
全て6イニング以上、自責点3以下です。
これが高卒ルーキーなのかと驚かされます。
はたして、これからどうなるのか。
他球団の打者たちもこのまま黙って
若造に抑えられているとも思えませんし、
よく言われるのが、
ストレートがナチュラルにシュートしていることですよね。
右打者のアウトコースを狙ったボールが
真ん中に入って痛打されることもあって、
あまりいいようには言われない癖球なんですけれど、
彼のここまでの投球では、
それが打者の胸元に食い込んでいることが
好成績に繋がっていそうです。
これを修正すべきなのか、
味として残すべきなのか。
コントロールを求めるなら、
治しておくべきでしょうし。
お客さんの入りも、
彼の投げる試合は超満員らしく、
対戦相手のファンにとっても、
見たくなる存在のようですね。