たかじんNOマネー 毒舌王決定戦3 三橋貴明氏・安倍総に毒を吐く -電力システム改革・TPP-

昨夜、番組名を少し出しましたので、
三橋さんの毒もご紹介。

彼は安倍総理大臣の支持者です。…でした？
総選挙での自民大勝にも彼の発信力が関わっているとも。
そんな彼が安倍総理に毒を吐きます。

選挙前、安倍政権は

・デフレ脱却
・消費税増税保留

を掲げていたため、彼は力を尽くしたと言います。
ところが実際に行われたのは、
依然デフレ下であるのにもかかわらず消費税増税を決定し、
電力システム改革を前進させようとしています。
発送電分離を前提としたこの改革について

誰のためにやるんですか！

と、彼は語気を強めます。
先月閣議決定したばかりの「電気事業法改正案」、
これは

1.広域機関を作る
2.電気の小売の自由化
3.送配電部門の中立性の確保

が骨子となる改正案です。
これにより、戸別単位で供給を受ける電力会社を選べたり、
電力会社を発電と送電に分社化することなります。
経済産業省は、これら電力システム改革で

電気代が安くなる

とアナウンスしています。
一方、経済産業省が公開している資料の中に、

諸外国における電力自由化等による電気料金への影響調査
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2013fy/E003213.pdf

このようなものがあります。
その中のこの表(左右にスクロール可能)、

上が家庭用電気料金で下が産業用です。

これをご覧になればおわかりになるように、
軒並み、電気料金は値上がりしています。
こんな資料を公開しておきながら、臆面もなく

電気代が安くなる

と経産省は言っている訳です。
これは何のための電力システム改革でしょうか？
現在、電気料金が高くなっているのは、
原発を止めているからで、
原発を動かせば電気料金は安くなります。

加えて、TPP。
TPPでは、電気通信の解放、
投資の自由化が交渉項目に含まれています。
このまま日本がTPPに参加してしまうと、
気がつけば日本の発電事業が外資に乗っ取られるという
可能性もあります。
エネルギー問題は各国の安全保障とも大きな関わりがあります。
他国に生命線を握られてしまえば、
日本の安全保障はどうなるでしょうか？
つまり、発送電分離もTPP産科も
エネルギー安全保障を弱体化させることに繋がる政策といえます。
それについて、自民党はどう考えているのか？

電力自由化 → 外資・投資家参入
　　→ 配当で持って行かれる → 国益減少

今や安倍内閣は

Rent Seeking内閣

となっています。
レント・シーキングとは、民間企業などが
政府や官庁に働きかけて、
政府と国民の間に割り込み、
自らに都合良く法制度などを改めさせ、
利潤を得ようとする活動のことを指します。




以後、彼は安倍内閣について、
是々非々で評価するとしています。





2003年8月、米国北東部と中西部、
そしてカナダオンタリオ州で大停電がありました。

2003年北アメリカ大停電

あるいは、停電地域にニューヨークが含まれていたことから、
3度目の

ニューヨーク大停電

ともされています。
番組レギュラーの八代英輝さんは
現地で3日間の停電を経験されたそうですが、
これも電力自由化の弊害だとされています。

電力自由化がなされたことで、
各電力会社は顧客獲得に躍起になります。
予算の多くがそのために支出され、
電気料金の値下げに回されます。
過当競争に負けた企業は排除され寡占状態になると、
その1社の1箇所でトラブルがあると、
広域での大停電となってしまいます。
たとえば「この時間は西海岸の会社の電気が安い」となれば、
東海岸の人や企業は超長距離の向こうで
作られた電力を買うことになります。
その途中で何かがあれば停電になってしまうことに。
値下げのために予算の多くを回している電力会社は、
本来、保守に使用されるべき予算、
また、新しい設備のための予算が削られています。
そういったことに予算を投じるよりも、
顧客確保が優先されるため、
脆弱な送電網が出来上がり、
大停電が起こりやすくなってしまいました。

日本において、昔は停電もあったかもしれませんが、
大災害においても復旧は諸外国とは比べものにならないほどですし、
何かがあっても、他の送電線が
バックアップ、バイパスの役割を果たすように敷設されているため、
日常で停電を経験することはほとんどありません。
日本での1年間の停電を合計しても、
2分間しかないという計算もあります。

そして安全保障。
TPPに参加していなくても、
中国マネーが日本の電力を掌握することも可能になります。
わざわざ他国に自国の首根っこを
押さえさせる機会を与えてやるなんて、
考えたくもありません。