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ダーウィンが来た!「アライグマ 黄金の前足」 その2 ~好奇心・学習能力・粘り強さ~

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http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11695265284.html

こちらからの続きです。




この2種の動物、どちらかがアライグマです。
右はタヌキですが、よく似ていますよね。



このアライグマの写真を街の人に見せますと、

タヌキ

と答えます。これは日本での話。
アメリカで



このタヌキの写真を見せますと、

アライグマ

だと口を揃えます。
どちらに馴染みがあるかで認識が変わってしまいます。
アライグマを英語では「raccoon」といい、
詳しくは「common raccoon」と呼ぶのに対し、
タヌキが「raccoon dog」と呼ばれているのも面白いです。
なお、タヌキは私たちの極東に住むイヌ科の動物で、
アライグマは北米に住んでいてアライグマ科。
あまり関係のない2種ですが、
似たような習性で似たような環境に暮らしているため、
似たような姿になったのでしょうか。
これも「収斂進化」といえるかもしれません。



なお、眉間に黒い線があり、耳の縁が白いのがアライグマだそうです。


特に水の中の小動物を捕らえるのが得意なアライグマで、
本来は森に住んでいるはずですが、
現在は街暮らしのアライグマが増えています。
それを可能にしているのも、
彼らが持っている特別な前足です。



シカゴの住宅街でも頻繁に見かけられ、
アメリカの庭によく見られる鳥の餌台に、
その器用な前足で登って餌を食べています。
アライグマがその数を増やしたのは、
天敵である肉食獣が減ったためで、
都会で彼らが暮らしていける理由が人間の存在です。
特に、人間が出すゴミが彼らの食料となります。

ゴミ置き場にネコがやって来ました。
食べ物を求めて大きなごみ箱の上へに軽やかに飛び乗ります。
いい匂いがするのでしょう。
しかし、蓋が開きません。
これでは中の物は食べられないので、
やがてネコは諦めて去ってしまいました。

直後に現れたのがアライグマ。



ネコのように飛び乗るような芸当は出来ませんが、
壁やフェンス、ごみ箱を使ってよじ登ることは出来ます。



なんと、手間取ることもなく、
事も無げにごみ箱を開けてしまいました。
体を倒し体全体を使いつつ、左前足で持ち上げています。



反対方向から見るとこんな感じ。
他の動物には無理でも、アライグマなら、
蓋の下の隙間に前足を差し込んで、
開けることが出来ます。



このアライグマは体を倒すこともなく、
左前足だけで開けています。
おそらく、この街で暮らすアライグマにとって、
ごみ箱を開けられるどうかが、
生きていけるかどうかに関わっているのでしょう。
それにしても、自然界にはこのごみ箱のように、
蓋がついた容器のような物は存在していません。
その技術が生得的に使える訳ではないでしょう。



この箱で実験です。
中に餌を入れて、天板が両開きの蓋になっています。
これを動物園のアライグマたちのところへ持っていきますが、
もちろん、アライグマたちはこんな箱を初めて見ます。



すぐにアライグマたちが集まってきましたが、
中に美味しい物があるらしいとは分かっていても、
なかなか開きません。



悪戦苦闘すること10分、
ついに蓋を開ける事が出来ました。
この実験でわかることは、2点。
まず彼らが強い好奇心の持ち主であるという点です。
普通、中に餌があるとわかっていても、
動物たちは見知らぬ物に対しては警戒してなかなか近づきません。
しかし、アライグマたちはすぐに箱に集まってきて、
その前足で触ります。



もう一つは粘り強さ。
上手くいかなくても、試行錯誤を繰り返し、
餌を食べようとしました。

さらに実験を続けます。



先ほどのアライグマたちのところに、
今度はこのような鍵を付けた箱を持っていきます。



今回もアライグマたちが箱を触り続けています。



アライグマは40分後に鍵を外すことに成功、
中の餌に辿り着きました。



今度はもっと複雑な鍵です。
取っ手を上へ上げて横へスライドすることで開くという物ですが、



難度は上がりましたが、
前回の経験から、ここがポイントであることを学んだのでしょう。



わずか4分で箱を開けてしまいました。
この実験で、強い好奇心、粘り強さ、
そして、高い知性と高い学習能力があることがわかりました。
これらの性質が都市生活を可能にしています。
多くの種の野生動物が都市で生活していますが、
アライグマほど都市生活に順応している動物は他にいないかもしれません。
もちろん、アライグマが暮らすべきは森の中であるはずです。
街で暮らすことでのトラブルもあるでしょう。
それに、本来いないはずの日本でも
アライグマのトラブルは頻発しています。
農作物の食害では、年間4億円の被害が出ているとされています。
アライグマが日本に増えたのは、
30年ほど前のペットブームからでした。



このアニメ「あらいぐまラスカル」の影響もあるでしょうか。
幼い頃のアライグマはおとなしく人間に懐くそうですが、
成長するとその気性の荒さから
飼育することが困難になります。
そのため、野山に放してしまう例が多かったと聞きます。
また、前足が器用なため、
普通のケージでは自力で外に出られるため、
逃走の可能性も高いのでしょう。
日本中でアライグマが繁殖していて、
在来種の生息を脅かしています。
現在、アライグマは特定外来生物に指定されていて、
年間2万5千頭が駆除されています。
もちろん、彼らが悪い訳ではありません。
彼らに責任はありません。





盛夏になると、街のアライグマたちに変化が見られます。
春の生まれた子供を連れたアライグマが
よく見られるようになります。



クルマがいない時を見計らい、
子供たちを母親が先導して道路を渡ります。



この2匹も子供のようですが、母親は来ていないようです。
ごみ箱開けに挑んでいますが、
自分が蓋の上に乗っているため、
開くはずはありません。
持ち前の粘り強さで開けようとしますが、
自分が地面に転落してみたり。
一度は諦めようともしますが、
そこはやはり、粘り強いアライグマ。
もう一度挑戦です…、が今度はクルマがやって来てびっくり。
それでも、またごみ箱の上に戻って来ました。
このとことん諦めない粘り強さは、
彼らが生き抜く上で欠かせない力となっています。




ねてしてタペ






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