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STAP細胞研究の不思議 ~普段生活していて私たちの細胞が初期化されないのはなぜ?~

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やはり、大騒ぎになりましたね。
小保方先生も時の人となりました。
このブログでも、30日全体のうち約半数が

理化学研究所の小保方晴子先生のチームが全く新しい幹細胞STAPを開発!
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11760733716.html

こちらにアクセスされていました。

なぜ、そんなことが起こるのだろうか?
私なんかが考えたところで、
意味はないんですけれど、
生物学の根本的な部分であるために気にせずにはいられません。
これからの研究が楽しみです。

小保方先生のお話では、
細い管を通した時に、
元々幹細胞は含まれていなかったはずなのに、
幹細胞が見られた、と。
これを彼女は、

体細胞が幹細胞に変化したのではないか

とその可能性についてお考えになったようです。
そして、



このような器具で、
物理的刺激を与えるため、
細胞を何十回も行き来させて、
細胞が幹細胞に変化することを確認したようです。
その他、あらゆる刺激を試されたそうで、
弱い毒、細胞に穴を開けるなども行ったようです。
おそらく、最終的に弱酸性の溶液に漬けるという方法になったのは、
それが最も幹細胞に変化する確率が高いか、
手間が少なくて済むとかそういう理由なのでしょう。
今後、さらに効率的な方法が見つかるかもしれません。

つまり、細胞は刺激があると、
幹細胞に戻る、"初期化される"ことがあるということなんですね。
動物においては一度、役割が決まってその組織の細胞となった以上、
それが逆戻りして幹細胞に戻ることはない、
これが生物学の常識でした。
その逆戻りを可能にしたのがES細胞であり、
iPS細胞だった訳ですが、
これは細胞核のDNAにアクセスすることで、
幹細胞への初期化を実現したものです。

私たちの体細胞は、常に何らかの刺激を受け続けています。
たとえば、口腔粘膜は口に食べ物が入ってくれば、
その刺激を受けることになるでしょうし、
咬合によっても刺激されています。
それでも、細胞の初期化は起きていません。

細胞の初期化が起こる時、
細胞の初期化が起こらない時の違いは何でしょうか?

一方、植物では細胞の初期化が起きていることは
既に知られています。
葉挿しってご存じですか?
多肉植物、観葉植物、ベゴニアなんかでも行われるようですね。
葉っぱを土、あるいは水に挿して、
新芽と根が出来ることを狙った方法ですが、
元々は葉っぱの細胞であるのに、
この状況では、その細胞は一度、初期化されて、
新しく根の細胞としての能力を獲得します。

動物でも、小保方先生が着目されたように、
トカゲ類の一部などでは似た現象は起きています。
トカゲ類では尻尾の骨や筋肉が切れるような構造になっていますが、
いわゆる自切で一度切れると、その切れ口の細胞は
未分化な状態へと変化していて、
骨までは再生されず、代わりに軟骨が出来ますが、
元の尾に近い形の姿に戻ります。
(元々未分化細胞が存在していたという説も)

私たちにも、こういった再生能力が
秘められているということでしょうか?
技術的な話ですと、
今回も快挙は、再生医療、創薬などに
生かされていくんでしょうけれど、
もっと根本的な話、動物と植物を分けているもの、
生命の始まり、単細胞生物と多細胞生物の違いなど、
生命やその進化の根幹に関わる部分も見えてくるのではないか、
そんな期待もしています。

そういえば、食道癌のリスクを高めるとされる
過度の飲酒と喫煙では、アルコールやニコチンなどが
食道を刺激するためだと説明されています。
刺激を受けて癌化するんですよね。
初期化ではなく。
もしかして、常に初期化は起こっていて、
癌化のほうが優性になった時に、
発癌するとか、そんな可能性はないのでしょうか?
考えてみれば、癌細胞は一個の異常なDNAの幹細胞が始まりです。
何らかの刺激を受けて癌化する、
何らかの刺激を受けて初期化する、
似た現象のようにも感じます。
異常なDNAが鍵でしょうか。
ならば、DNAに異常を来す場合と、
来さない場合の違いが気になりますね。

STAP細胞、実に楽しいです。


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