2011年3月11日、高松祐子さん(当時47歳)は
勤務先の七十七銀行女川支店で大きな揺れに見舞われました。
津波を避けるため、彼女は同僚たちとともに、
13mの高さの支店屋上へ避難、
しかし、ここへ避難した人たちのうち、
4人が死亡、高松祐子さんら8人が行方不明になってしまいました。
女川町には、最大で20mの津波が押し寄せていたのです。
直前、祐子さんからのメールです。
大丈夫? かえりたい
夫・高松康雄さんは、
これ以後、祐子さんの言葉を受け取っていません。
今年2月7日、バス運転手・高松康雄(57歳)さんは
潜水士の資格を取得しました。
自分の手で妻を家に帰したい
それが彼の願いです。
既に2011年12月には、祐子さんの両親の勧めもあり、
葬儀を行っています。
葬儀をすることで諦めや、区切りになってしまうとも思った。ただ、一方で、まだ生きているかもしれないという気持ちもあるんです
昨年、宮城海上保安部に海中捜索を3度依頼、
潜水士による捜索活動を見るうちに、
ありがたいが、自分でも捜したい
と考えるようになりました。
彼はダイビングのトレーニングを開始します。
しかし、捜索には潜水士の資格が必要だとわかり、
猛勉強の日々を過ごしました。
今年、1月に国家試験、
2月7日には合格通知が届きました。
国家資格があっても、実際に創作活動が行える訳ではありません。
まだ、駆け出しの潜水士には、
まだまだトレーニングが必要なんだそうです。
単独での潜水も出来ません。
高橋さんはこの夏に海中捜索を行う予定となっています。
妻は俺が家に連れて帰る
警察庁発表によりますと、
6日現在、東日本大震災における行方不明数は
2636人となっていて、
98人の遺体が身元を確認されていません。