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ダーウィンが来た!「水上の“育メン鳥”」 トサカレンカク その2

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こちらからの続きです。

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11809960767.html





ピンポン球ぐらい大きさの3羽のヒナたち。



そんな子供たちの側にお父さんがやって来ると、



子供たちはお父さんの翼の中へ潜り込もうとします。



そして、お父さんは立ち上がり、
そのまま水草の上を歩き始めました。
ヒナの足だけがぶら下がっています。
我が子を抱っこして連れ歩くお父さん。
オスだけでの子育てする鳥も珍しいですが、
ヒナを抱えて歩くというのもさらに独特です。



それを可能にしているのが
トサカレンカクの橈骨。
人間で言えば、親指側の骨ですね。
この幅が広い橈骨と体で、
ヒナの頭を挟んで固定しているようです。



隠れ場所のない水草の上、
お父さんはこうしてヒナを守りつつ、
食料の多い場所へと移動していて、
さらに、翼の下に抱えることで雨期の激しい雨により、
ヒナが体温低下で死んでしまうことを防ぐことも出来ます。



このお父さんから少し離れた所には、
別のオスがいました。
そこへメスが飛来、そのオスは求愛を始め、
メスが拒否しないため、求愛は上手くいった模様。
実はこのオス、先ほどのヒナたちのお母さんなんです。
お父さんが天敵や豪雨からヒナたちを守り続けているのに対し、
お母さんは別のオスと交尾しました。
これも珍しい一妻多夫の習性です。
鳥類でいえば、わずか1%程度。
同じチドリ目の一部にも見られます。
メスが持っている縄張りの中には、
通常、3~4羽ほどのオスがいて、
オスはその中に小さな縄張りを構えます。
メスはそれぞれと交尾することとなります。
水草の上での子育ては、卵やヒナが落水したり、
流されたりする可能性があります。
そんな不安定な環境で、
より多くの子孫を残すというメスの戦略がこの習性となりました。
一方、子育て中に卵やヒナを失ったオスには、
すぐにメスがやって来てくれます。
そのため、オスにとっても、
安定して自分の子孫を残すことが出来るという訳です。

しばらくすると、ヒナは自力で昆虫などを食べるようになります。
そんな時、見知らぬメスが現れました。
お父さんは慌ててヒナの元まで飛んで行き、
メスを威嚇します。
メスはそんなお父さんを攻撃、



いったい、何が起こっているのでしょうか?
この見知らぬメスは縄張りを持たないあぶれメス。
このあぶれメスの狙いはヒナで、
ヒナを殺してしまえば、今は子育て中のオスも
交尾できるようになります。
同じ理窟の子殺しは、いくつかの哺乳類で見られますが、
それらはオスがメスが連れている子供を殺していて、
トサカレンカクのように、
メスが子供を襲う種は極めて稀だと思います。
お父さんは攻撃されながらも、
大きな警告音を発し続けます。
すると、ヒナたちのお母さんが飛んできました。
お母さんがあぶれメスを追い立てて、
縄張りから追い出しました。
直接的な子育てには参加しないメスですが、
このような危機では子供たちを守っている訳です。





孵化から3ヵ月、子供たちも大きくなりました。
食べ盛りの子供たちが水草を突いているのを
見守っているのがお父さん。



お父さんのそばに1羽の子供がやって来ました。
体を低くしてお父さんの体の下に入ろうというのでしょうか。



しかし、自分と同じぐらいの大きさの子供を
もう抱えることは出来ません。

若鳥たちに飛ぶ力がついてくると、
お父さんの縄張りを出て、
外の世界の探検を始めます。



オトナのトサカレンカクに追い立てられることもあります。
若鳥たちが自分の縄張りを構えられるようになるのは、
次の雨期がやって来る約1年後。
それまではお父さんの縄張りの片隅で、
生きる術を身につけていくのでした。













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