ここからは電車1本で行けますので、
私にとってはとても身近な古都であります。
最初はこれ。
こちらの人間にとってはよく知られたことなんですが、
京都の中心を流れる鴨川岸には、
カップルがよく座っていて、
そして、カップルたちの座っている間隔が、
ほぼ等間隔なんですよね。
なぜ、決まりがあるわけではないのに、
等間隔に座ってしまうのでしょうか?
実験で確かめます。
学生たちにカップル役になってもらい、
鴨川岸に等間隔に座ってもらいます。
ただし、普段見られるものよりも、
狭い間隔で座ってもらいます。
この狭い間隔でも、次にやって来たカップルは
等間隔を守るのでしょうか?
仕掛人以外の初めてのカップルがやって来ました。
すると、列の等間隔を守り、
左端に腰を下ろしました。
また、カップルがやって来ましたが、
今度もほぼ等間隔を保ちつつ、
右端に座りました。
中には、これまでの間隔の倍ほどのスペースを空けて
座った例もありましたが、
次に来たカップルがそのスペースに入って座り、
また等間隔が出来てしまいました。
今回は特別に実験として、あえて狭い間隔を予め作っておき、
それに沿った間隔を保つかどうかを見て観察しましたが、
狭くても等間隔を守ったカップルは、
10組中7組でした。
特に右側には広いスペースが空いているのに、
なぜ、わざわざ狭い等間隔に座ったのでしょうか?
日本大学心理学科・厳島行雄教授によりますと、
これは同調効果と呼ばれるもので、
人は慣れない環境や新しい環境に入った時、
どう振る舞っていいかわからないので、
自分が見たルールを自分なりに解釈して、
それに従ってしまうという習性がある
とのこと。
エスカレーターで、前の人たちが右を空けていれば、
それに従い、左を空けていればそれに従うのも、
同調効果といえます(とはいえ、本当は真ん中に立つべきなのでしょうが)。
そういうことなので、
このように仕掛人たちに等間隔で、
川に背を向けて後ろ向きに座ってもらい、
あり得ない状況を作っても、
それに従って、後ろ向きに座ってしまったりもします。
観察では6組中、3組が後ろ向きに座りました。
次に仕掛人を用いず、自然にカップルが座る様子を観察します。
最初のカップルが座る位置を決め、
そして、次のカップルが距離を置いて座りました。
次に3組目が現れましたが、
最初と2番目のカップルが作った間隔とほぼ同じ間隔を置いて、
自分たちも座りました。
1組目と2組目の間隔がここでのルールだということでしょう。
4組目が1組目と2組目の間に座ります。
すると、これまでの半分の間隔が新たなルールとなり、
5組目が2組目と3組目の間に、
そして、6組目はこれまでの列の外側、3組目の右に座りました。
人間にはこういう習性があるようですね。
でも、外国人だとどうなのでしょう?
日本人には右に倣えという意識が強いような印象がありますが。
所さんの目がテン! 「京都」のお話は、
まだ続きます。